7月6日 勝者でも敗者でもない ~記憶~
中学3年生の最後の大会でもある高円宮杯。
敗戦を告げるホイッスルは中学サッカー生活の終わりを意味している。
グランドの上に両手と頭をつき、嗚咽交じりの涙と汚れたユニホームで小さく映る震えた背中たちはその選手の全てを失った瞬間を表している。
中学生活の青春全てをサッカーに捧げた者の終わりの姿である。
敗戦の瞬間、私は無気力になった。ただグランドの中央に呆然と立ったままでいた。
納得できなかったし、受け入れられなかった。
怒りや悲しみも何も出てこなかった。
頭の中は真っ白だった。
ロッカールームで仲間が泣いていた。それでもまだ受け入れられずにいた。
頭を下げ謝る後輩が煩わしかった。
全てを出せなかった。
何一つ納得できなかった。
出せるものが何だったのかでさえ見つけられない。
何にも無かった。
何にも残らなかった。
翌日の校庭では、後輩達がボールを追いかけていた。
見たくもなかった。
今でも思い返す。あの試合は最低だった。
全てのプレーに何かが欠けていた。
我々は最低だった。
私は勝者にも敗者にもなれていない。
小さく映る震えた背中たちは、明日からどう進んでいくのだろう。
みんなで大泣きしたかった。・・・そんな試合がしたかった。
ちゃんと敗者になりたかった。