8月2日 波崎遠征

「すみません。冷房を止めてもらえますか」
遠征先の波崎に向かう車中で、たまらず運転手に声を掛けた。

郡山を脱出し、愛しい「南国の関東平野」との再会を心待ちにしていた数時間。
半袖から覗く腕と足は、寒さで震えている。

冷房なんて入れてないですよ。暖房でも入れますか?
即座に返してきた運転手の言葉は、私には余りにも残酷だった。

地肌にうっすらと汗が滲むあの感覚。開けた窓から流れる柔らかで爽やかな南風。
永遠かのように高々と遥か頭上から見下ろし続ける太陽。

暖房のスイッチは、それを遥か遠くに感じさせるには十分であったし、上着を重ねる毎に、今回の遠征の失敗を感じずにはいられなかった。

現地では雷が我々を出迎えてくれた。
こんなことなら郡山で・・・。と思いながらもまた上着を着込んだ。

2日目からは待望の関東だった。
この蒸し暑さも何とも言えない。絶好のサッカー環境である。

3日目は都心だった。
熱中症ギリギリのベストコンディション。
選手が海でハシャギ泳いだのも自然の行動であろう。

肝心のサッカーは、チームの強化を更に進める機会となった。
一人ひとりのプレーに責任感が生まれるようになってきたし、プレーイメージの共有も進んできた。

私を裏切らなかった関東平野。ありがとう。また会おう。
走り出したバスの中、沈みゆく赤い夕日を左手に見ながら上着の準備をし始めた。

更新日 : 2007年8月 2日

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